海辺のカフカ 読書感想文 その2

カーネル・サンダーズのすばらしさは語り尽くせませんが、
この物語の一番重要なポイントは星野君の存在だと思うのです。

奇異なキャラクターばかりの中、唯一普通な星野君。
彼なしでは、読者はこの物語に現実感を見いだせないのではないでしょうか。
実は、僕が一番感動したシーンは、彼が仕事の事を忘れてしまう所。
ナカタさんに心引かれて、
トラックの運転手から簡単にドロップアウトしてしまう。
仕事なんてまた探せばなんとかなるさ、と。
もう一人の主人公と言ってもいいと思います。

全体のストーリーは宮部みゆきのブレイブストーリーにも通ずるものがあります。
少年が、別の世界(少年自身の内部世界)に入り、強くなって現実に戻ってくる...
強くなるって大変ですが。


個人的なお話になってしまいますが、
僕も"強くなる"為の試練が与えられることが多いです。
ある日、急に目の前に試練という高い壁がどーんと置かれて、
「乗り越えろ」と言われます。
今まで何度もそういう事があったんですが、
なにしろいきなり来るもので、毎回腹がたちます。
もっとゆっくり、階段状に大人になりたいのに、と。
実は今、目の前に壁があるんですが...

Comments

Popular posts from this blog

conda clean --allはやってはいけない

MacbookやiMacのSSD/HDDを完全消去する(High Sierra対応版)

意外とめんどいmac OSXでのddコマンド